松江大橋北詰の西側にある京店商店街は、周辺に国宝松江城や旧日銀松江支店(現カラコロ工房)があり、観光客の流入も多い。 その歴史は古く、1724(享保9)年、藩主松平宣維のもとに公家の息女岩姫が降嫁した折りに、京都の三条通りに模して小庇の長い京風の景観を整えて姫を慰めたことがその名の由来だという。 その後は北前船の寄港地として栄え、明治になってからはラフカディオ・ハーンの宿となった富田旅館や織原邸が近隣にあった。商店街がイベント等で使用する“カラコロ”は、ハーンが大橋を下駄で渡った音になぞらえたものだという。 さまざまな品を扱う老舗店のほか飲食店も多く、夜の時間帯も来街客で賑わっている。 街路には1963(昭和38)年に全蓋型のアーケードが設置されたが、1991(平成3)年にはすべて撤去された。併せて電線の地中化や街区のモール化、さらに石畳による道路の美装化、個店のファサード整備、カラコロ広場の設置など、地域の環境整備が継続的に行われ現在に至っている。 以前の職場が近くにあったため、京店は私の通勤路の一部となっていた。写真はかなり以前の歳の瀬に撮ったものだが、たまたまRAWで撮っていたので、現像の練習がてらに8枚ほど掲載する。旧日本銀行松江支店 建築家長野宇平治氏の設計により、1938(昭和13)年に「日本銀行松江支店」として京橋川北縁に建てられたが、2000(平成12)年に改築・増築され、新しく「匠の館・カラコロ工房」として開館した。西欧古典様式をもつ数々の銀行建築を世に送りだした長野氏最晩年の作品であるこの建物には、外観の重厚な柱や、銀行として使われていた頃のカウンター、照明、二階部分の回廊、窓に残る格子などが現在もなお当時のまま残されている。 実を言うと若い頃にこの建物内で3年ばかり仕事をしていたことがあり、現在は貸展示室として利用されている地下の大金庫室で、昼休みに卓球に興じていたことを懐かしく思い出す。天井が思いのほか低く、時々球が天井に当たってしまうのが困りものだったが・・・。 写真は風のない日に、京橋川の南岸から撮ったもので、寒い中、少し背を丸めながら家路を急ぐ人の姿を小さく左に配している。Lightroomでテクスチャーや明瞭度を調整し、外観の石の質感を少しでも引き立たせるように現像してみた。京橋川縁の珈琲館のハンギング 珈琲館は京店の他、宍道湖北岸や橋南田和山などに店舗を持つ老舗の喫茶店である。この京店店は半世紀近い歴史を持ち、煉瓦造りの重厚な建物と京橋川を望む眺望が魅力である。 写真は晴れた日の夕暮れに、正面入口の右側、京橋川に面した看板の下に吊り下げられたハンギングを撮ったものである。Lightroomのカラーミキサーやテクスチャー・明瞭度調整を使い、琺瑯製の鉢の質感と黄色く可憐なビオラの花を浮き立たせるように現像してみた。カラコロ広場のイルミネーション 商店街の東側、京橋川に面して造られたカラコロ広場。広場の周囲には飲食店が軒を連ね、川縁には遊覧船の発着場が設けられている。 写真はクリスマス前の夕暮れに、街灯の柱に巻かれたイルミネーションの淡い光に誘われて撮った一枚である。ピントはあえて奥側に置き、画面右上に女性の通行人を配したが、もう少し明るい色の外套を着た人だと良かったかと悔やまれる。GF1にもレンズにも手ぶれ補正がないため僅かにブレがあったが、Photoshopのスマートシャープフィルターである程度は修正できた。少し周辺光量補正もかけている。ヘアサロンのウィンドウの水盤 商店街を抜けた東にあるTASHIRO美容室のショーウィンドウは、いつも素敵なデコレーションがなされていて、前を通るたびにハッとさせられることが多かった。この時はすでに閉店後で防犯用のスポットライトだけがついていたが、返って水盤に浮かべられた色とりどりのバラやガーベラの美しさが際立ち、思わずシャッターを押していた。花の部分はマスクをかけてカラーミキサーで色味の違いをはっきりさせるよう調整してみた。周辺部光量補正も行っている。イタリアンレストランの窓辺 京橋から突き当たって東側にあるイタリアンレストランの店内の様子を、クリスマス前の夕刻に撮ったもの。まだ開店直後でお客の姿はなかったが、店員さんの雰囲気がよいのと、視線、Tシャツのロゴ、腕の方向がいずれも手前の窓枠のラインと同期していたので画面左にアクセント的に配してみた。手前の楕円形のライト部分はマスクをかけて明るさを落とし、リボンの色味はカラーミキサーで調整している。レストランの待合椅子 上の写真のお店の前に置かれた待合用の椅子。その形と白いパイピングが気に入って撮った一枚である。椅子部分にはマスクをかけてカラーミキサーで調整をかけている。宿に向かう老夫婦商店街に面した老舗旅館の入り口に向かう老夫婦の雰囲気がよかったので撮った一枚。人物を少しでも背景から分離することと、石畳の質感を浮き上がらせることに配慮しながら現像してみた。老舗トラッドショップのウィンドウ 私が若い頃よく出入りしていたトラッドのお店「DAIWA」。JPRESSやRalphLauren、McGREGORなどの服が揃う、松江では貴重な存在だった。店主のセレクトセンスがよく、品揃えも個人商店としては比較的充実していた。 写真はややうるさい感じのウィンドウの映り込みがあったため、Photoshopの最新のAiフィルターで消した。簡単に綺麗に消えてビックリ!また、やや後ピンだったので、スーツ部分は複製レイヤーをスマートオブジェクト化し、ブラシで部分マスクをかけたのちにスマートシャープをかけ、逆に階段の手すりにはぼかしを加えている。京店商店街周辺。近々また撮りに行きたい場所の一つである。LUMIX GF1, LUMIX G 20mm F1.7, 14-45mm F3.5-5.6Adobe Lightroom Classic, Photoshop