松江大橋の北詰にある山口薬局(橘泉堂山口卯兵衛商店)を訪問。店主のお許しを得て、店内を撮影させていただいた。創業250年以上になるこのお店は『ばけばけ』では「山橋薬舗」として描かれ、トキとヘブンがビールを買い求めるシーンに登場したが、当時はさまざまな和漢洋の医薬のほか、文具や眼鏡、食料品などの幅広い商品を扱っていた。当時ハーンが愛飲していたのは「朝日ビール」で、決まって毎日2本を飲んでいたが、このビールは山口薬局でしか手に入らなかったので、たびたび買いに出かけたとのちに女中が回想している。記事の中ほどの写真に、西洋人がビールの泡を舐めている大きな布の一部分が写っているが、これは明治40年当時、実際に店先に掲げられていた「カブトビール」の宣材である。この西洋人の風貌がなぜかトミー・バストウさん演じるレフカダ・ヘブンによく似ていると感じるのは私だけだろうか?年明けの第15週では、柄本時生さん演じる店主の山橋才路が料理の才を発揮して、ヘブンに西洋料理を振る舞うシーンも登場する。実際には料理店を営んでいたわけではないが、現在は焼肉店になっている薬局前の通りの向かいには、当時実際に西洋料理店があった。また、ドラマでは建物の2階が「白鳥倶楽部」というサロン的な場所になっていた。実際にはいくつかの座敷や立派な隠れ茶室などがあるそうだが、見学はできない。現在の山口薬局では、漢方薬、草木茶、蔵に保管されていた昔の硝子器などの販売のほか、松江の手しごと作家さんの作品販売をしておられる。明治中期の創建になる建物は松江市登録歴史的建造物の指定を受けており、店内には明治中期以降の大福帳が、皮貼りの立派な装丁で保管されている。そのほとんどは未精査で、富田旅館や八雲に関係する取引先の名は見つかっていないとのことだったが、先日偶然に、知事役を演じている佐野史郎さんの実家「佐野医院」らしき名前が見つかったそうである。Nikon ZF, Voightlander NOKTON 40mm F1.2Adobe Lightroom Classic, Photoshop